先週私に起こったこと

先週は私にとってとても勉強になることが多かったので忘備録代わりにここに書いておきたい


そのいち
けの樹さん(って読んだのは初めてだけれど)に紹介していただいたおとなの社会科(http://www.otosha.com/)に参加してきた。テーマはインドの代理母問題。
行ってみてよかった。ほんとうに。
私は目上の人、この場では社会人(主にスーツを着て毎日仕事をしていらっしゃる)と私は文法が違うし、経験値も違うのだから、同じ地表に立って話ができないんじゃないか、というかそもそも話をしてくれないと思っていた。
しかし、学生の話にもあんなに耳を傾けてくれて、真摯に問題について考えてくれようとする大人がいることにびっくりした。それに、普遍的問題に対する戸惑いや、哲学的課題に接するときの態度は学生も大人も同じであって、みなで悩みながら話し合いながら解決していかなければいけない、ということも代理母の問題を通して感じた。

悩んだのが、就職活動の話。
起業をするにも、その先のことを考えるにしても公務員はおすすめしないという意見を正直どう受け止めていけばいいのかわからなかった。
確かに中小企業に就職することで営業の技術や事務処理能力という土台を持ってから起業をするなり、転職をしたほうがいいというのはたぶんものすごく、正しい。
夏休み中に埼玉県庁にインターンに行った時、私は「仕事像」を打ち砕かれた。優秀な人もおそらくいるのだろう。しかし、「やりがい」なんてものが持てるとは正直思えなかったし、なにより職員の方に言われた一言がショックすぎて、結局この人たちは全然尊敬に値しないんじゃないか、という考えに至ってしまった。
そのショックな一言、というのは「福祉は大変だよネー。俺の同期も福祉事務所でさんざんな目にあっているよー。福祉の仕事なんてさー福祉職で入ったやつが全部やればいいのに」というもの。
おめーら公共の利益とか奉仕とか言いながら就職しくさったくせに汚れ仕事は嫌だ、みたいなその態度はなんなんだこの野郎。ていうか、福祉職で就職しようか迷ってますって言った私の話を聞いたうえでのその発言なのか!、と思ってしまったのだ。
そう、私は福祉職で就職しようか、迷っている。
おそらく、そういう方向で就職活動をするならば、また話は全然違ってくる。民間に勤めるよりも、公務員やその他の相談援助職について手法や技術や経験を学んだほうがいい。初めに就職した場所で一生働くかどうかは別にしても。
わー。ほんとにわかんない。
民間で働ける自信もない。能力も、就職活動の中に飛び込んで自分のことをこてんぱんにされる勇気もない。
そして、いったんここまで福祉のことを学んでおいて、ぽーいと投げ出して他のことをしていいのかと、考えてしまう。ここまで色んなことを知って、学んで、それなのにそれをいきなりなしにしてしまうのか。
時間がないのはわかっているんだけど、決められない。
焦りだけが積み重なっているのがわかって、自分で自分がおそろしい。



そのに
ちりさんに紹介してもらって、初めて炊き出しに参加する。
以下考えたこと箇条書き。

・今回炊き出しをさせてもらったところは、援助する側される側、という上下関係を作りたくない、ということで調理の段階から野宿者が参加していた。炊き出し、いうとたしかに与える側、その「施し」を受ける側という関係性になりやすい。面白い視点だな、と思った。
・野宿者の人と話してみて、あくまで「普通の人」なのだ、ということを感じる。私ももしかしたらそちら側になってしまうかもしれない。地続きの一部。
・「ひとりではこわくて眠れない」、必ず集団で集まるようにしているとのこと。殴られる、蹴られる、暴言を吐かれる、また火をつけられたこともある、とのこと。
・宮下公園のナイキ化、今回炊き出しを行った公園も2012年度中の閉鎖が決まっているとのこと。景観の維持、安全性と野宿者が実際いる、ということにどう折り合いをつけていくのか?ますます野宿者が見えにくくなっているように感じる…。
・手帳取得に至るレベルかはわからないが、知的・アスペルガー等の人も含まれているのではないか?(初対面での緊張や躊躇があったのも事実だが)
・喫煙者の多さ、喫煙率の高さ。援助側にもこれは言えること。
・「一度、路上に出ると出られなくなる」。生活保護も若いと受けられない=「若いのだから働きなさい」。

そしてここでも再び将来に対するジレンマ。
貧困者支援の現場で必ず出てくる、生活保護の水際作戦、受給希望者を「若いんだから、働きなさい」と追い返すこと。
もし、福祉の現場に就職したら、私も「そちら側」になるのかという恐怖がある。
さんざん大学でいろんな理論や展望や理想をこねくりまわしておいて、そうなってしまうのか、と考えるととてもおそろしい。
もちろん、現場で働く人にもジレンマがあることはわかる。限られた予算と足りない時間としかし目の前にいる困った人。



わー。わたし、ほんとうにどうしよう。
先週はカルチャーショックに戸惑いながら、こんなことを感じていました。